クリニックブログ
Patient's voice
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こんにちは。歯科助手の大田です。
今回は、「親知らずを奥歯(第2大臼歯)の代わりとして利用する矯正治療」についてお話します。
親知らずは前から8番目に位置している大臼歯ですが、生えてくるケースや埋まったままになるケースがあり、第三大臼歯や智歯(ちし)とも呼ばれています。
「親知らずは抜いたほうがいい」と思われがちですが、隣在歯に悪影響を及ぼす場合や萌出してきた一部に炎症が生じるといったような場合は抜歯適応となりますが、まっすぐ生えていて腫れや痛みなどのトラブルがなければ、必ず抜く必要はありません。
近年では、親知らずを有効活用できる治療方法もあります。そのひとつが、親知らずを奥歯(前から7番目に位置する歯:第2大臼歯)の代わりに使う矯正治療です。
実際に当院でも、私自身がその方法で矯正治療を受けています。私の場合、上顎の奥歯が外側に倒れて下の歯とうまく嚙み合っておらず、いわゆる「鋏状咬合:シザーズバイト」の状態でした。
(シザーズバイトはこのまま放置すると、顎関節症の原因、虫歯や歯周病のリスクが高まります。)
昨年10月に奥歯(第2大臼歯)を抜き、親知らずが自然に下りてくるのを少し待ち、今年に入ってから上顎に矯正装置を装着しています。
こちらの写真が奥歯(第2大臼歯)を抜歯する前の模型です。
こちらの写真が奥歯(第2大臼歯)抜歯後の現在の状態です。
現在は、親知らずを矯正装置で引っ張っている最中です。今後は下顎にも装置を付けて全顎的な矯正治療を行います。まだ動かしている途中ではありますが、親知らずが下の奥歯に当たる位置まで移動しており、順調に進んでいる手ごたえを感じています。
親知らずを奥歯の代わりに使うには、レントゲンで歯の生え方や歯根の状態、骨の様子など様々な条件をしっかり確認する必要があります。
また、移動距離が長いため治療期間が長くなることや、親知らずの移動が計画通りに進まない可能性もあります。
「自分の場合はどうなるのだろう?」
「矯正を考えているけれど、親知らずは抜いたほうがいいの?」
そんなお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度矯正歯科へご相談ください。
当院でも矯正の初診相談を受け付けておりますので、気になる方はお気軽にご連絡ください。